この度、 2020/7/18 に行われた 第358回 実用数学技能検定1級に合格することができました!
応援してくださった方々、心から感謝の念でいっぱいです。
【注意】これは2年ほど前に書いていた下書きを掘り起こして今更公開に踏み切った記事なので、内容が少し古いです。
趣旨
実は1級を受けるのは今回が 2 回目でして、以前 第344回の検定を受けたときは2次試験の方が 0.1点 足らずで不合格だったんですよね… (アダマール行列アダマール行列アダマール行列アダマール行列アダマール行列アダマール行列アダマール行列アダマール行列アダマール行列アダマール行列アダマール行列アダマール行列アダマール行列アダマール行列アダマール行列)
今回はその雪辱を晴らすべく1次免除の恩恵で2次試験のみ受験しました。
検定から少し間が開いてしまいましたが、この場で試験のこと等振り返ってみようかと思います。
(1次は受けていないので2次試験のみのレビューとなります。)
試験概要
数学検定の1級は次のようになっています。
試験 | 検定時間 | 出題数 | 合格基準 |
---|---|---|---|
1次試験 | 1時間 | 7問必答 | 70 % |
2次試験 | 2時間 | 1~5 から 2問選択, 6, 7必答 | 60 % |
2次試験レビュー
実際の試験問題の著作権は日本数学検定協会に帰属します。
とある筋より入手するなり下のレビューからエスパーで問題予測するなりしてください。
例えば1次試験の解答例などは以下のサイトで公開されています。
数学検定(数検)1級1次 解答例
第1問
ルジャンドル記号というものの性質を使って を証明する問題らしいです。
発想がうまくいけばすぐに解けるのかもしれませんが、整数問題が無理な私はすぐさま撤退…
第2問 (選択)
離散フーリエ変換を用いた関数の近似問題。工学の人はよく使ったりするのかな。
ぱっと見ギョッとしてしまうけれど、よくよく見るとただ数値を代入するだけで答えが出るおいしい問題です。
私はこの問題を選択しました。
以下、再現答案です。汚い字ですみません。
帰宅後、出てきた答えを吟味する。 になっていそうなのでよさげかな…?うん、多分合ってる!
という訳で、1問は取れたような感触が得られて安堵しました。
第3問
見ただけであ、これ無理な奴だ。やめよ…。となった問題です。
今でも何をしようとしているのか正直なところ分からないです。
この記事を書いている今現在もまだ問題文を読んですらいません…
第4問
典型的な統計の問題。瞬時に解けなかったのが悔やまれる!!
第5問 (選択)
写像12相と呼ばれる話題の具体例を扱ってみたような問題です。
写像12相に関してはけんちょんさんの以下の記事がとても分かりやすいです。
この問題ではそれを知らなくても高校の場合の数の感覚で答えは出せます。
ただ、計算の途中で二項定理が必要になります。
再現答案。
うーん。。。
第6問 (必答)
ジョルダン標準形が出るとは聞いてない
いや、聞いてはいたんだけどね、出ること自体は。
という訳で、みんな大好き、ジョルダン標準形。ンダルョジの形準標。
存在は知ってたけどまともにお勉強したことはなかったので必答しょっぱなからああ無理だこれ・・・になった問題。てか、344 回のアダマール行列の時もそうだけどなんで数検に出てくる線形代数の問題ってこんな斜め上の問題が多いの?
とりあえず固有値求めてやるかぁ…とはなったものの何故か詰まった。
結局答案はほぼ白紙です。
再現答案。
ジョルダン標準形以前に、初っ端の固有方程式を求める計算からやらかしている。余因子展開しないで最初からサラスでよかったああああああああああああああああ
いやでも余因子展開した方が結果的に因数分解しやすくなるよな。計算力のない自分が悪い。余因子展開に謝れ。
正しくは となって、 が 3 重解として求まります。
そしてそれに対する独立な固有ベクトルが 1 本しか出てこないので、対角化ができないことが分かり、仕方ないからジョルダン標準形を求めてやるかぁ…という流れになるんですね。
帰宅後泣く泣く計算し直しジョルダン標準形の復習に励むことに…
ジョルダン標準形は非数学科では飛ばされがちだし応用例もいまいちよく分からないんですが、数検にはバンバン出てくるみたいです。
私みたいに軽視していると酷い目をみますのでちゃんと習得しておきたいところですね。
マセマ、齋藤、佐武、あと最近出た文元さんの青チャート辺りにちゃんと載ってるよ。
第7問 (必答)
3次元アステロイドの体積を求める問題。
想定された解法はもちろん と置換して領域を球面内に変換し、その後 の重積分で殴るという方針になるかと思われます。
しかし、この問題で与えらえた図形はある平面 (例えば 平面 ) で切ってその断面積を考えると高校数学でおなじみの 2次元アステロイドの面積を求めることに帰着するので、
頑張れば高校数学の範囲でも解けるかもしれないですね。(実際私は試験当日は平面で切って断面積を積分しました。)
という訳で、再現答案。
もはや高校数学だな、これ。そういえばこういう問題、どこかの大学で 2005 年くらいに第 6 問で出てた気がする。それもこの問題よりも圧倒的に難度が高い。でもまぁいいか。
答えは になった。
帰宅後、杉浦解析演習 でより一般的な問題の答えをみて勝利を確信。やった~!