まぁリンクラに限らずともだけど。
ごあいさつ
ついに 104 期生初の Fes×LIVE が開催されましたね。知ってるはずの曲のアレンジがもうまったく別の曲でびっくりしました。みらくらぱーくのアイデンティティなんて早すぎ~って感じ。自分は超のつくライト勢なので、まだ 104 期生の名前と顔が一致できていないレベルなんですが、個性的な面々が増えてきてこれまた今後の With×MEETS や Fes×LIVE がより一層楽しみになります。自分は今のところカチカチの徒町さんが気になっているところです。
めぐちゃんも無事進級できたということで(←)、これからの Fes×LIVE は 9 人主体で進んでいくんだなあと思うとわくわくしてきますね。
さて、メンバーが増えることによって新たに懸念が浮上します。スマホアッチッチ問題です。
周知のように、リンクラはモバイル向けのゲームでありながら、その推奨スペックが高すぎることで有名です。
「Link!Like!ラブライブ!」では以下の端末でのプレイを推奨しております。
以下に記載のされていない端末の動作は保証しておりませんのでご了承ください。・iOS
推奨端末:iPhone 12 以上の端末、iPad(第10世代)以上の端末、iPad Air(第5世代)以上の端末、iPad mini(第6世代)以上の端末、iPad Pro 11インチ(第3世代)以上の端末、iPad Pro 12.9インチ(第5世代)以上の端末
推奨環境:iOS 14.1 以上・Android
推奨端末:Snapdragon 888 相当以上
推奨環境:Android 11.0 以上
※推奨端末・環境につきましては、今後、予告なく変更する場合があります。https://link-like-lovelive.app/faq?category=other&question=system-requirements
これは主に Fes×LIVE 中の 3D レンダリングを配信中に実行しないといけないからなのでしょう。ゲーム部分や With×MEETS 中はそこまでは必要なさそうですが、人数も多く動きも激しい Fes×LIVE ではこのくらいのスペックがないと厳しいようです。最新の iPhone 15 Pro Max (A17 Pro) でも アッチッチになるという話まであります。(出典は実況スレです) *1
「リンクラでスマホの寿命が縮まった!!」という声も (ネタかどうか) ちらほら聞くので、できることなら PC で動かしてリンクラを見たい、というのは自然な欲求だと言えるでしょう。
前置きが長くなってしまいましたが、当記事はリンクラの特に Fes×LIVE を PC で見るにあたり、果たしてどの環境がいいのかについての筆者による落書きです。リリースされて 1 年以上が経過し、何を今更という感じではありますが、PC でモバイル用アプリを動かすというのはそれだけでも多くの魅力に富んでいます。解像度やパフォーマンスの向上など、端末のサイズに囚われない体験がいともたやすく実現できるようになります。
本記事の結論といたしましては、タイトルにもございますように Android Studio を使うのがほかの環境との兼ね合いをも鑑みて最適なのではないであろうかということをただただぐちぐちと述べていくことになります。
まぁ 私は M2 iPad Pro ユーザーなので PC で動かす必要はさらさらないのですが
筆者の環境
- Windows 11 Pro 23H2
- Intel Core i7-14700K *2
- GeForce RTX 4070Ti Super
- 2TB SSD
- 64GB RAM
(DDR4 2133MHz)
さらに詳細な構成は ↓ こちらからどうぞ。この時からのアップグレードは特にしていません。
何がしたいか
これに尽きます。
Hyper-V というのは主に WSL2 (Windows Subsystem for Linux 2) を使う時に有効にしないといけないものですが、困ったことに巷の Android エミュレーター (以下「泥エミュ」) はこれが有効になっているとまともに動いてくれません。動きはするもののパフォーマンスが半減してしまうもの、起動にものすごく時間を要するもの、そもそも起動せず Hyper-V の無効化を強要してくるもの、いろいろありますが、いずれにしても泥エミュにとって Hyper-V は水と油の関係になっているようです。詳しいことは分からないのですが、Hyper-V を起動しているとほかの仮想化技術に費やすための CPU のリソースがほとんど食い散らかされてしまうため、VT や VirtualBox といった技術を使った泥エミュが WSL2 と同時に起動するのが困難だとか何とかみたいな話らしいです。Microsoft が悪いのか、Intel が悪いのか。
ここの図解が面白いです。
泥エミュ起動する度に WSL2 が使えなくなり、再度有効化のために PC を再起動し直さないといけないというのはかなり面倒なので、できることなら Hyper-V を無効にしなくても動く環境が使いたい。そういう動機です。
各泥エミュとその所感
そのため、特に Hyper-V を使わないよという方であればあんまりこの辺りで悩む必要はないです。Android 11 以上に対応しているエミュレーターから肌に合ったものを選ぶとよいと思います。ラ板では Android 12 が使える MuMu が人気ですね。
以下に、私が実際に導入してみた泥エミュとその所感を示します。あくまで私個人の感想なので、推しエミュがディスられていたとしてもあんまり気にしないようにお願いいたします。
エミュレーター | 所感 |
---|---|
LDPlayer | Android 9 までしか対応していないが, 無理やり apk をぶち込むと起動はする。だがそこからのダウンロードが進まない。この中のエミュでは一番健闘しているまである |
NoxPlayer | Hyper-V 対応の β 版 がリリースされているが、エミュの起動が 99 % から進まない。 |
BlueStacks5 | Hyper-V 対応版が出たという話がちらほらあるが、2024年5月時点で公式によるソースが見当たらない。ちゃんとは探してないので本当はあるのかもしれないが、公式の方法で ROOT が取れないのであんまり使う気にもなれない。 |
MuMu | そもそも Hyper-V 未対応。 |
MEmu | 何もしていないのに広告が大量に出る。ゴミ。 |
やはり安心と信頼の LDPlayer です。軽い、広告出ない、ROOT 取りやすい。自動で Hyper-V を無効化しない。スクスタエミュの最適解。現状 Android 9 までというのが本当に惜しいところです。
Android 9 の LDPlayer では Google Play からリンクラを入れることができないので、自分で apk を使って導入する必要があります。ただ、実際にやってみたところ、ロゴは出ますがアプリ内でのダウンロードが進まないので思うようには動きませんでした。う~ん実に残念。
という訳で、泥エミュの有名どころを片っ端から試してみても (Hyper-V 起動時に) リンクラがまともに動いてくれるものがどれ一つとしてなかったのでした。
⎛(cV„O ᴗ OV⎞まいったねこりゃ
Android Studio
ここで世の中には Android Studio というものがあることを思い出します。
Android アプリの開発のために Google さんが公式で提供している IDE で、端末や OS 等、仮想デバイスの構成を細かく指定したうえで自作の Android 用アプリを試験的に動かすことができるエミュレーターが標準搭載されています。こちらは Hyper-V が動いていても動作を止められることはないです。一体どんな仮想化技術で実装されているのでしょうか。
Google Play Store が使える環境もあるので、これを使って世のアプリを動かしてやろうという訳です。
導入手順に関しては私が文字で説明するより動画で見た方が早いので (バージョンの違いによって UI が多少違うことも多々あるので)、例えば ↓ この辺りを見るとフォローできると思います。
M1/M2 Mac 向けの解説になっていますが、どの OS やアーキテクチャでも大体一緒です。何なら Linux や ChromeOS でもいけると思います。
動作状況
以下、実際に Android Studio 上のエミュレーターでリンクラを動かしてみた時の様子です。
↑ この写真は先日の 104 期生加入後初の Fes×LIVE のライブアーカイブなのですが、途中少し音が外れることがあるくらいでその他モデリング部分などの問題は特になかったです。まぁ、ライブ配信中に動作を確認した訳ではないので、本番環境下でどうなるかは要検証といったところですが恐らくはちゃんと動くと思います。
ただ、あからさまに CPU ファンの回転が強くなります。ここでは Pixel 8 Pro (1344×2992) の画質で Android 14.0 (Upside Down Cake) を動かしているのですが、室温が 1 ℃くらい上がり、体感温度も結構変わります。この環境では GPU より CPU 使用率の方が高めに出ますが、ご多分に漏れずもう少し画質を上げたりすると GPU 使用率が高くなってくると思います。まぁ、このあたりの事情は泥エミュに限った話ではなく、重いゲームを動かす場合はまぁそうなんだろうという感じですね。
↑ こちらは 2024/05/02 の With×MEETS を配信で実行させてみた様子です。やはり、Fes×LIVE の時よりかは負荷が軽いように見えます。(同時に大量にブラウザを開いていたりするので完全な対照実験にはなっていないです。)
WSA (草稿)
Windows Subsystem for Android (WSA) でリンクラを動かしてみる試み。*3
自分の環境ではうまくいきませんでしたが、うまくいく方もいるかもしれないので、念のため備忘録として遺します。
WSA は 2025年の3月にはサ終するので、試してみたい方は早めに試すことをお勧めします。
- 「Windows Subsystem for Android」のサポートが2025年3月5日で終了 - 窓の杜
- WindowsでAndroidアプリを使える機能「Windows Subsystem for Android」がサポート停止&Windows向けAmazonアプリストアも提供停止へ - GIGAZINE
インストール手順
WSA は公式で Google Play が使えず、2024年5月現在では Amazon Appstore でインストールすることすらできない状況なので、アプリを導入するには特殊な手段を講じる必要があります。色々やり方があると思いますがここでは adb
(Android Debug Bridge) を使って導入する手順を示します。
Windows 11 22H2 以上が必要です。
Microsoft Store で Amazon Appstore を導入する
WSA は単体でインストールできず、これを入れると一緒に WSA がついてくるという仕様になっているみたいです。
導入ができたら 「Android 用 Windows サブシステム」 を起動して (スタートで "Android" と検索を掛けると出てくると思います)、左ペイン「詳細設定」から「開発者モード」をオンにします。
ここに「ADB は 127.0.0.1:58526
で接続できます。」と書いてあることを確認します。
adb を使えるようにする
Android Studio を入れている方の場合は既にあるはずなので、以下を PATH に通して adb
コマンドが実行できるようにします。(通さなくても良いです。) ((%USERPROFILE%
とは C:\Users\[ユーザー名]
のことです。))
%USERPROFILE%\AppData\Local\Android\Sdk\platform-tools
Android Studio を入れておらず、かつそこまで大仰な環境構築にも抵抗があるという方は以下から SDK-Platform-Tools をダウンロードして解凍し、同じように adb
への PATH を通します。(通さなくても良いです。)
adb Quick Tips
以下、PowerShell 上で adb
を使います。管理者権限は特に要らないと思います。
必要なコマンドを適宜打っていってください。
- adb 動作確認
adb version
- WSA へ接続 (最初に必須)
adb connect 127.0.0.1:58526
- Android の OS version 確認
adb shell getprop ro.build.version.release
- apk インストール
adb install [apk へのパス]
- apk アンインストール
adb uninstall [パッケージの名前]
以下はリンクラの例
adb uninstall com.oddno.lovelive
パッケージの名前が分からないときは下のように打てば多分分かるかもしれない。
adb shell pm list packages -f | findstr odd
最後の odd
をゲームの名前やメーカーの名前等に変えてください。出力最後の .apk=
以降に書いてある文字列がそれです。
- WSA への接続を切る
adb disconnect
まとめ
Android Studio のエミュレーターはあくまでテスト環境なので、巷の泥エミュの皆さんと比べてしまうとゲーミング環境が整っている訳ではないように感じます。ただ、Hyper-V 稼働中にリンクラが動く環境を考えると恐らく Android Studio しかないので、これがまぁ最適なのであろういう結論です。殊、リンクラに関してはカードゲームの様相を呈しており、激しいアクション要素はなく、あとはグラフィック部分に強さがあれがよいという類のアプリのため、なおのこと Android Studio との相性は悪くはないと思います。
もしかしたら Hyper-V 有効の環境下で Hyper-V 無効の仮想環境を立てることができるかも分かりませんが、万一できたとしても機械さんにはますます負荷を掛けてしまうことになりそうです。
まぁ何はともあれ、これからもリンクラを楽しんでいきたいですね!
*1:当記事の本筋とは関係ありませんが、理想を言えば回線速度も欲しいです。筆者は 1Gbps 契約の Wi-Fi 5 という平の凡のような環境ですが、ローカルでの回線速度の影響からか配信中の 3D レンダリングが時折ジャギって見えるので、10Gbps を契約し直すまではいかないにせよ、せめて Wi-Fi 6 くらいは欲しいなという印象です。
*2:念のためここにも書いておきますが、現在 Intel Core の 13, 14 世代は燃えることで炎上していますので (?)、これから Intel の CPU を検討している方は要注意です。
参考:
・https://gazlog.jp/entry/intel-cpu-degrade-issue/
・https://gazlog.jp/entry/intel-raptorlake-fix-new-statement/
*3:WSA は WSL2 と同じく Hyper-V で動いているので、WSL2 との相性が良い、と私は勝手に解釈しています。合っているかどうかは分かりません